メインディっシュ、鴨川ホルモー他もろもろ

メイン・ディッシュ (集英社文庫)

メイン・ディッシュ (集英社文庫)

(集英社文庫)
北森 鴻



連作短編集。とうよりひとつの物語の章ごとがひとつの短編になっているという、コース料理でひとつひとつのお皿も完璧なんだけど、コースになってひとつのまとまり、とう感じのタイトルどおりの作品。

殺伐としたミステリにはちょっと食傷気味で、ほんわかするような本を読みたいと思っているところ、おいしそうなタイトルで手に取りました。




そして、この作品、期待を裏切りませんでした。




ユーモアをおしげもなく使い、叙述トリックで素材を料理、キャラクターを魅力的に配置したミステリグルメも大満足の作品になってます。



最後の文庫本にまとめられた時に追加された話のオチで、ニヤリ




大変おいしゅうございました








そして・・・・。

ホォルゥモォォォォーーーッ!


面白さに完敗です。


鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)


鴨川ホルモー 万城目学


ホルモーというのは、あるゲームの名前で、その決着がついたとき、こだまする絶叫でもあります。



「小説ってそもそもツクリゴトだよね。じゃ、これもありですよね?」

って感じで、ひねられちゃったのがこの作品。ああ、でもこれこそがフィクションの醍醐味。そしてその中に浮かび上がるリアルな青春群像。。。



なぁんて書きっぱなしにしておくと、ホルモーって何よ、どんな話よ、もっとわかりやすく書いてよ、と詰め寄られそうな気配があるので 





ホルモーとは式神(鬼)を使役して戦う合戦形式のゲームで、京都大学立命館大学京都産業大学龍谷大学の大学ホルモーチームが存在しており、この4大学対抗の形で行われるもの。



神事的な意味があるのか、あくまで一般には秘密裏に行われている模様。




そんなホルモーサークルの中で恋に失恋、恥に意地、真面目とユーモアが交錯する、青春ドラマなのが、このお話。



鬼とか式鬼とか、ま〜〜〜ったく興味ない方でも、リアルな青春を彩るちょっとばかり変わったスポーツドラマとして読めます



むしろ鬼とか式鬼、ましてや安倍晴明という名前をきいただけでトキメイてしまう方には、やや物足りないかもしれませんが、それでも手ごたえのある面白さは感じると思います。





映画が4/18から公開されていたそう。はやくDVDにならないかしらん。
http://www.horumo.jp/index.html






手塚先生、締め切り過ぎてます! (集英社新書)

手塚先生、締め切り過ぎてます! (集英社新書)



手塚先生、締め切り過ぎてます! 福元 一義 (著)

家にあったので、つい読了。


マンガ家、手塚治虫の元チーフアシスタントが明かすエピソードの数々で、大ヒット作、三つ目が通る、ブラックジャックの誕生秘話もあって、さっと読めちゃいます。

大天才であるのだけど、その才能というのは、どんな作品がかけるか、というより、作品を生み出したいという欲求がどれだけ強いか、によるものだなんですねぇ。





赤瀬川原平の名画読本―鑑賞のポイントはどこか (知恵の森文庫)

赤瀬川原平の名画読本―鑑賞のポイントはどこか (知恵の森文庫)

赤瀬川原平の名画読本 




昔、朝日新聞の日曜版で「名画の旅」という連載があって(本にもまとめられた)それも愛読したものです。これもそういう名画へのいざない本。 

絵は自分が買うつもりになって見る、という名言には、強くうなづいてしまいました。

絵は自分が欲しいかどうかで良し悪し決めちゃってもいいですよね。どうせ本当に買えないんだし。




まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)

まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)




有栖川有栖我孫子武丸倉知淳麻耶雄嵩



幻のまほろ市を舞台に繰り広げられる本格ミステリの競演、ってところです。

ネット上にある酷評ほどではない気がしますが、メンツがメンツだけに期待しちゃうんでしょうね。

わたしはけっこう楽しめました。倉知淳さんは、いつも通りのほのぼのテイストだったし。






狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた (新潮文庫)

狐笛のかなた 上橋菜穂子





読み終わりました。ほとんど一気呵成。



どっしりとした、良質のファンタジーです。



霊的世界と人とのかかわりにこだわっている作家さんですが、2003年にかかれたこの作品もまた、というか以前にましてそのあたりが上手に表現されています。



霊狐と、常ならぬ力を持つ娘と、隠匿されて育った領主の息子との三者のそれぞれを描きながらの結末。じんわりきます。



このヒトの作品って、子どもに読ませようと思って手にとって、親がハマるってパターンが多いそうです。




孔雀狂想曲 (集英社文庫)

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

 



孔雀狂想曲
北森 鴻 (著)

下北沢にある古物商店主を取りまくちょっとした事件の日々。ってところですが、これがなかなか。

同作家の同じようなテーマで女性が主人公のお話([狐罠])も読みましたが、こちらの方が短編連作のせいか、読みやすく、つい夜寝る前に残りを読みあげてしまいました。

人物描写がしっかりとして、浮ついていないので、手ごたえしっかり

古物をとりまくミステリなので、スプラッタ(血みどろ)が苦手な人にお勧め!



眠りの森 (講談社文庫)

眠りの森 (講談社文庫)

東野圭吾 眠りの森


一気呵成に読まされました。東野作品は寝不足要注意です。バレエダンサーを題材にしてのロマンチックミステリ。いろいろ書きたかったはずなんだけど、読んでからずいぶん時間がたっちゃったので忘れました。ご免。




と、最近読んだ本はこんなところかしらん。