チルドレン 陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

伊坂幸太郎づいているところで、またまた。
「陽気なギャングシリーズ」第二弾。おなじみの登場人物たちが、楽しんじゃってます。一作目が映画化されるそうなので、期待大、ですね。

チルドレン

チルドレン

こちらは著者お得意の連作短編集で、おなじみ「饒舌な天上天下唯我独尊」キャラがでてきて、いい味だしています。

この人物が物語りのエンジン役で、家庭裁判所の調査官という役どころ。さまざまな問題をかかえ、絡んでくる人々をどう扱っていくか、も見所ですが、まわりで振り回される人々の、これまた雰囲気のよさ、性格のよさは、もう絶品。

癖になりそう!



伊坂幸太郎の魅力というのは、軽さ、のひとことにつきます。


ある指向性をもった小説群が「リアルな中の奇跡(虚構)を描く」ということで読み手の快感を得てきたと思うんです。


それが、最近ますます重さを帯びる「リアル」に比例するかのように、物語がその重さ(深刻さ)を増し気味で、「確かに面白いんだけど、軽くて、ひたすら楽しくて爽快感のある小説が読みたいな」なんて思っていたところ。


そこへ、「どーせ、奇跡(虚構)なんだから」と、「リアルにある重力」を解き放って「軽く、軽快に爽快に」走っているのが伊坂小説なんです、って言い切っちゃいましょう。


ちなみに、作中の魅力的な登場人物、陣内氏によると、「物事を言い切る人間は信用するな」だそうですけど(笑)。