マヂック・オペラ --二・二六殺人事件

「マヂック・オペラ --二・二六殺人事件」読み終わりました。




前作、「ミステリ・オペラ〜宿命城殺人事件」は上海虐殺事件、こちらは二・二・六事件を題材に、もやのかかった混迷の時代の中に、重厚な組み立ての謎を構築しています。



殺人事件は、最終的にその謎は解き明かされるのですが、このトリックそのものはおざなり・・いえ、実はさして重要ではなく、むしろ、「起きてしまった殺人の隠蔽されようとする」ミステリとして配置され、二・二・六事件そのものにまつわる謎を浮き彫りにしつつ、北一輝萩原朔太郎芥川龍之介江戸川乱歩などなど昭和史からはずせない登場人物たちが糸を織り成しています。



通常の定型の中で探偵小説を構築する美学もあるんですが、この一連のシリーズは、昭和史の中の巨大なミステリを指摘し、「もしかしたらあったかもしれない」世界を再構築する趣向となっていて、好き好きがわかれるかも。



ちなみに、わたしはとても好きです。黙(もだし)忌一郎という登場人物がまた、前作よりいっそう魅力的になってるし。



ってわけでぇ♪ 週末に新宿サイン会があるんですよぉ♪ いけるといいなぁ♪