「チームバチスタの栄光」「蚊トンボ 白髭の冒険」(上下)他

ダックスフントのワープ (文春文庫)         てのひらの闇 (文春文庫)


ダックスフントのワープ」「シリウスの道」「てのひらの闇」「蚊トンボ白髭の冒険(上下)と立て続けにイオリンを読みました。

ウマイ!面白い!ってわけで大満足。


どれもこれもほとんど一気でやっちゃいました。この辺を読んでいる間は正直、寝不足でしたが、それもOK♪

蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)

蚊トンボ白鬚の冒険(上) (講談社文庫)

「蚊トンボ 白髭の冒険」(上下)は、「テロリストのパラソル」と同じ世界の中にあるということで、特に面白かった一作。



蚊トンボが取り付いて超人になる、という設定なんだけど、そのBig If をのぞけば、あとは一介の水道職人が巻き込まれたアクション物語。



別の生物が人間にとりつく、寄生モノは、「寄生獣」(岩明均)とか「鉄腕バーディー」(ゆうきまさみ)などのマンガや、「ヒドゥン」のような映画、小説では「一億の針」(ハル・クレメント)(ヒドゥンの原作だけど似ても似つかない)などがあるけど、これらのヒット作に負けず劣らず、ノンストップアクションだし、コンビネーションも上々。



シリウスの道 もうひとつあげれば、「シリウスの道」。


広告代理店の丁々発止がエキサイティングで、ミステリがらみにしなくても、オフィス物としても楽しめました。



チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

バチスタなる心臓の難手術に挑む医療チームの中で、立て続けにおきた術中死にまつわるミステリで、テンポよし、文章よしの手だれの風格。これがデビュー作とは思えません。超変人がでてくるあたりもマンガ的というか、誇張がきいていて、あきさせません。



現役のお医者様だそうですが、そっちをやめて作家業に専念し、ぜひとも次回作を、といいたいところです(笑)。



キャラが立って突拍子もない手法を展開するあたり、清涼院流水の「コズミック」などを、リズムのある文体は、石田衣良を思い出させますが、真似ている、あるいは似ている、というのではなく、ミステリ界に新しい風がびゅんびゅん吹いているので、といった感じで、読みやすい、読みやすい。これもまた一気読み保証付。


シリーズ化、ドラマ化されそうなので、押さえて吉♪です。