「ママ、嘘を見抜く」「蹄鉄ころんだ」「自閉症だった私」ほか

ママ、嘘を見抜く (創元推理文庫)

ママ、嘘を見抜く (創元推理文庫)

えっと、まず、前回から読んでいたシリーズの完結編から。


スプラッタや、眉をしかめて一緒に悩むってタイプのミステリではなく、かるーく楽しむミステリとして、上質でした。でも完結編。これでこのおばぁちゃん探偵には会えないのが残念。



にぎやかな眠り (創元推理文庫)

にぎやかな眠り (創元推理文庫)

蹄鉄ころんだ (創元推理文庫)

蹄鉄ころんだ (創元推理文庫)

というわけで、あらたなるかるーく楽しむミステリ開拓。
今度の主人公は農大の教授。キャンパスの雰囲気もよく、アメリカの大学でも農大は農大なんだなぁという、素朴さや、学生全部が豚捜索に駆り出されちゃうマニアックさかげんがたまりません。



我、自閉症に生まれて

我、自閉症に生まれて

  • 作者: テンプルグランディン,マーガレット・M.スカリアーノ,Temple Grandin,Margaret M. Scariano,カニングハム久子
  • 出版社/メーカー: 学研
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 単行本
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オリバーサックス「火星の人類学者」にとりあげられた自閉症の女性の著作。


自閉症をはなんたるかを知らないものに、自閉症の孤独と孤立を教え、人間の脳と能力の限りない可能性を感じさせてくれました。



おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生

おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生

最後は「おそめ」。昭和後期の銀座を盛り立てた伝説のマダムを追ったノンフィクション。


各メディアでも絶賛されていたようですが、ふだん、あまり本を読まない母をして、「おもしろかった」とほどんど一気読みさせた一冊。


当人の波瀾万丈な生き方もさることながら、同性である著者の、敬意をもった筆は柔らかくも芯があり、下手な小説は追従不可。

読ませます。