ダナエ 黄色い目の魚、グレート・ギャツビー、裁判官爆笑お言葉集、
なんだかずいぶんと更新があいちゃいましたが、生きてます。とりあえず。ちょっと疲れ気味、グレ気味ですが、まぁなんとか。もう少し涼しくなって、体力戻れば元気もでるかな。
さて、本です。
- 作者: 藤原伊織
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 単行本
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「ダナエ」藤原伊織
人生って割り切れることばかりじゃないんだなぁ、という余韻をきれいに残す短編集です。
文章の切れもよく、抑制もきいていていい感じ。
特に心の襞にせまる奥行は全作品の中でも一番ではないかと思います。今はただ故人の冥福を祈り、その才能を惜しむばかりです。
- 作者: 佐藤多佳子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10/28
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12歳から16歳の、日常の不条理や理不尽をもやもやと抱え込む季節を、ていねいに描く連作短編集。
いいです。
購入を決めた動機が、手にとってページをめくったとき、目に飛び込んできた文章のうまさ。
出だしから一瞬で、世界にひきこまれます。
- 作者: 長嶺超輝
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/03/01
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いつのまにか、わたしのDSにはいっていたので、いつのまにかプレイしちゃってます。
そういうときに目の前にころがっていたのが「裁判官の爆笑お言葉集」長嶺 超輝。
判決を言い渡す、法の番人裁判官の思わずこぼれてしまった言葉を集めたもので、ピリリと辛口の説諭もあれば、思わず涙するような言葉もあり、こんな裁判官になら裁かれても・・・みたいに思ってしまうことも。・・・実際裁かれるようなことになりたくないですけどね。
筆者のコメントもけっこうおもしろく、今風に各々が短くて時間もかからないので(わたしには少々物足りない気もしましたが)、何かの合間合間に読むのにいい感じです。
グレート・ギャツビー
村上春樹訳 スコット フィッツジェラルド 「グレート・ギャツビー」読了。
ギャツビーをめぐるひと夏の物語とは帯からの(うろおぼえの)引用。
繁栄と狂騒と。アメリカがもっとも夢に満ちていた時代。
熱に浮かされたように時代を楽しむ人々の影にひそむ、野心や、夢や、孤独や虚無といったものが、せつせつと胸に響いて、眠れないので予定外更新。
村上氏によると翻訳は賞味期限があるとのことで、今にあわせた翻訳をこころがけたあったけれど、なるほど、なんの違和感も感じず、同期できる話として読めました。
大昔、「華麗なるギャツビー」を読もうとして挫折したクチだけれど、それは翻訳のせいというより、若すぎてこの虚無と孤独がわからなかったからの気がします。
それと・・・。
読み終えた今、ヘミングウェイの「移動祝祭日」を思い出しました。
これもまた「あとがき」によるとスコットとヘミングウェイは一時期友人だったこともあるらしいので、時代を共有したものたちならではの、同じ匂いがあるのでしょう。
- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/05/10
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2004年このミステリーがすごい!第一位、日本推理作家協会賞受賞、本格ミステリ大賞受賞はだてではありません。
一見ありふれた事件に主人公が飛び込んでいくのですが、読み進むうち、全然ありふれていない展開に!
事件や時代がぽんぽん、一見脈絡がないように飛ぶのに、ぐいぐいと惹きつけれて、飽きるなんてことはありません。
そして、それらがひとつに収束していく果てに、驚きの結末がっ!
初手からのしかけに全然気づかず読まされて、最後の最後にショーック! 思わず読み直しちゃうほどです。
- 作者: 村上龍,テレビ東京報道局
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/05/26
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カンブリア宮殿 村上龍×経済人 (単行本)
村上 龍 (著), テレビ東京報道局 (編集)
読了。著名な経済人たちとのインタビュー。どうやらテレビ番組をまとめたものらしいけれど、寡聞にして知りませんでした。
ミクシィやはてな、ホリプロ、ピーチジョン、H.I.S.、京セラ、ライブドア、日本マクドナルド、etc. らの社長がでてきて、その軌跡を垣間見せてくれます。
成功したヒトというのは、光に向かって育つ植物のような、力強い生命力を感じます。それをひきだす村上さんが上手なのですが、皆がみな、魅力的です。
とくに印象的だったのが、樹研工業社長、松浦氏の言葉。
「お金持ちになることを考えてはいけません。
有名になることを考えてはいけません。
偉くなろうと思ってはいけません。
これは人生の結果であって、これを目的にすると、とんでもないことになる」
目的を見誤らないようにしなくては。
「
ブレイクスルー・トライアル ~第5回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作~
- 作者: 伊園旬
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/01/11
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「ブレイクスルー・トライアル」伊園旬、読了。
これもまた「このミス大賞」受賞作。
受賞作なので、一応それなりに面白い。
IT研究所のセキュリティを破るイベント「ブレイクスルー・トライアル」に主人公が参加するというもの。
侵入困難な建物に侵入するというアイディアはおもしろいし、読後感もまぁまぁ。
なんだけれど、キャラクターたちの印象が散漫で、話が順調すぎるかなぁ。
著者は、軽快なアクションとして読み手を楽しませようと思ったんだろうけど。それとも大賞募集要項の枚数制限を気にして抑えちゃったのかな?
サイドストーリーを少し整理して、せっかく出てきたライバルたちなんだから、主人公たちとひとつ、ふたつトラブルおこしたほうが盛り上がったと思います。
そうそう、あと華があるといいかな。次作品への課題ですね、伊園さん。
というわけで、まだまだ読んだのはあるけど、今日のところはここまで。